silhouette
真白シーツがたなびいた
影を潜めて
朽ちてしまった花
ダイニングテーブルの上に
花束のまま
無造作に置かれたまま
このまま
ここにいてもいいのか
それとも
あてどなく何処かに向かうのか
誰に聞くでもなく
自分に問うこともなく
時間軸だけが知っているこのリミット
真白シーツはもう既に乾いていて
シワなくただ風にそよぐ
この景色が見たいと思う
見たいと思った景色はすぐに目の前に浮かんだ
でも、それがどこなのか
一体何の意味があってこの景色が見えるのか
まるでわからない
自分を呼んでいるであろう、
にこやかに微笑むあの人の顔さえも
真白シーツがたなびいた
影はもうそこには残ってはいなかった
全てが忘れ去られた場所は虚無ではない
そこはちょうど良い温度や湿度で保たれていて
決して色褪せない絵画の中